「握れる右手」ばね指 Nさん

セッション日記

2020.9.13
Nさんの不思議な体験は、友人の紹介でNPO法人TWFの会を訪ねた時に起こりました。「ばね指」と診断され長年悩んできた右手の薬指が武司さんとのスカイプで、しっかり曲がるようになったのです。

そして、今日Nさんは「あれから大分いいのですが、今また違和感があります。このままいくとピアノも弾けなくなるのかと思うと…」と、声を詰まらせながら伝えていました。

武司さんは、Nさんの右手を両手で包み込みように覆い、スーと優しく何かを外すように取り去りました。
武司さんが「何かつまってる、うん10年の重みが取れる」と摩りながら言うと、Nさんは「その感じ…小学生の頃からずっとあったんです」と応えていました。
武司さんは、Nさん自身が指の動きを見てすっきりと感じるまで、何回も握手や指を優しく摩ることを繰り返していました。その度に確かめるようにグーパーをしながら笑顔になっていったNさんの目には涙が滲んでいました。

最後に武司さんは、Nさんの肩と首に手をあて、とても重そうなものを「何十年分だぁ」と掴み引き取っていました。「身体が熱くなって、何か込み上げてくるものを感じます」と話すNさんはとても穏やかに見えました。

後日、Nさんを紹介した友達のMさんが

「本当は手が握れない位でお願いしてもいいものかと思ってた…でも何度も何度もNさんの手をやってくれる武司さんの姿を見ていて私、恥ずかしくなったの…
友達の私は彼女の思いと痛みを何もわかってなかったんだと気づいたの」

と語ってくれました。武司さんの人に向かう背中は「その人の身になって、その人を思う」ことを教えてくれる…。

レポーター k

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