顔の麻痺は心のマヒにもつながっていた・・・Tさん

セッション日記

2020.11.7,8

子供の頃から、左目が近視、右目が遠視で、物の見え方に違和感がありました。視力は眼鏡をかけて調整することができますが、それ以上に悩みの種となっていたのが、顔の左右差の大きいことでした。目の形や輪郭もちぐはぐな自分の顔が好きになれず、いつしか写真に撮られることや人と目を合わせて話すことを避けるようになっていました。

私は視力の左右差によって顔の筋肉の付き方に偏りが出たのだと考えていました。
そこで武司さんに、①左右の目が同じように見えるようになりたい、②顔をもっと左右対称に近づけたい、この2つをお願いしました。

武司さんはまず「その顔の麻痺から取ろう」とおっしゃいました。顔に張り付いているもののせいで、顔が固まってしまっているというのです。
武司さんが正面に立たれ、私の顔を両手で覆い、ゆっくりと手を離されました。すると驚くべきことが起こりました。武司さんの手が離れた瞬間、ひとりでに「顔が動く」という感覚があったのです。びっくりすると同時に楽しい気持ちもこみ上げてきて、いつの間にか満面の笑みをたたえていたようです。

興奮冷めやらぬうち、「視力のほうもお願いします」と言いました。すると武司さんは、「今の状態で見てみな」とおっしゃいます。私はすぐさま顔の前に人差し指を突き出し、左右の目を試しました。そして、直前までとは見え方が変わっていることに気が付きました。
これまでは近距離であれば、両目を開いた時と左目だけで見た時の見え方がほぼ一致していました。ところが今や、僅かではありますが、近くを見るのに右目も使えていることが分かりました。

この翌日のセッションでも前日と同じように顔に触れていただき、二日間を通して、いくつかの実際的な変化がありました。
まず、今まで使っていた眼鏡の度が合わなくなりました。それから、これまでピクリとも動かなかった右眉辺りの随意筋をかすかに動かせるようになりました。
しかし何より大きな出来事は、確かな変化を実感したことで「私は変われる」という大きな希望と喜びに満たされ、人生で一番といってよいほど心が晴れたことでした。

武司さんは、私の顔から何かを引き離すような動作をされたあと、「こんなものがついていると、『自分なんか』と思っちゃうからね。」とおっしゃっていました。
確かに私は卑屈で、何をするにも自信が持てませんでした。しかし今、完治を目指したい、自分を認められるようになりたい、それまで絶対に諦めない、という前向きなエネルギーが次々と湧いてくるのを感じます。

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