諦めから希望へ Uさん

ガン


2020.10.24

6回目のセッションに臨んだUさんは、少しはにかむように笑みを浮かべながら語り始めました。

「今日、ここに来て気づいたのですが、何だか気持ちが明るくなってきてるんです。病気も人生も全部諦めていた…諦めないと怒り憎しみ恨みのネガティヴな感情になってしまうから諦めるしかなかった…。諦めればそんな嫌な感情は出てこないから…。
何度も通って来て、今、希望持ってもいいのかな?諦めなくてもいいのかな?と思う私がいるんです。」

そんなUさんは初めてのセッションの時には、硬い沈んだ表情でゆっくりと重々しく淡々と話していました。

「子宮頸ガンで手術をした後に腰椎の近くに転移が発見され抗癌剤治療をしたけれど、現在両肺に大きな塊のガンがあると言われています。11月に2回目の抗癌剤治療の予定ですが、今回の治療では取りきれないかもしれないと言われています。抗癌剤はもうやりたくないなあと思う気持ちもあって…」

今日、武司さんに会ってから1ヶ月弱のUさんが話す様子とその笑顔は、最初の時とまるで別人のようでした。

そんなUさんに武司さんは、「諦めるって、どういうこと?どうやったら怒りが出る?」と矢継早に聞きながら、Uさんの肩や背中、頭、そして心窩部の辺りから、何度も何度も何かを掴み取り外していました。

その度にUさんは、「不思議…。いつも武司さんにやっていただくと、深く息を吸い込みたくなる。そして、時間が経つにつれて身体が軽くなるんです。」と答えていました。

何度目かのセッションでUさんは、思い切った様子でお母様との関係性の難しさを伝えました。武司さんは「親と話してみて。子供と会話できないことが親は一番苦しい…。親と会話する約束で、苦しさを取って楽にするよ」
Uさんは、約束通り3年振りにお母様に電話したこと、お母様が喜んでいた事を武司さんに報告していました。
その頃からUさんの変化が加速しているように思えてなりません。

「苦しみ痛みがあったら、それを取る!またその苦しみ痛みがくる!また取る!その繰り返し。病気は闘いだから…。諦めたらそこでお終い…。俺は諦めない!本人がどうかなんだよ。
そして全ての基本は、人間同志仲良く、なんだよ。」

武司さんがいつも語ってくれることが目の前でノンフィクションで展開されています。

リポーター k

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