2020.12.5
病院やクリニックで勤務されてきた40代女性のSさんです。
現在、仕事を休職されています。
初めは人と話すのが辛く感じるようになったそうです。
職場でも、患者さんと話すことが辛く感じてきました。
更年期障害のような身体の不調もありました。
同居している義母との関係も今ひとつでした。
数年、子どもさんを連れて別居されていましたが、この春、同居を再開しました。
義母との会話は挨拶程度で、用意した食事には手を付けてもらえませんでした。
下のお子さんも大学へ進学し一区切りついたことで、仕事を辞めたいと思うようになりました。
職場の上司に休職を勧められて休んでからは、心療内科の医師と面談していました。
医師から出される課題に何を答えてよいか分からず、同じところをぐるぐる回っていました。
そんな時、お友達から武司さんのお話を聞きました。
会いに行きたい気持ちもあるけれど、見れば分かってしまう武司さんの前に立つのが正直怖かったそうです。
Youtubeも事前に見て、大けがや難病でもない、小さなことに悩んでいる自分が行ってもいいのかな、大切な力を煩わせてもいけないんじゃないかと尻込みする気持ちもありました。
それでも、お友達の後押しもあり、「何か楽になるきっかけになれば!」と藁にもすがる思いだったそうです。
緊張しながらセッションの会場に行き、武司さん、みどりさんを見て、まず、
「YouTubeのまんまだー」
と思ったそうです。
Sさんの順番が来て、自分のオーダーを話そうとするやいなや、堰を切ったように涙があふれ出し、オーダーもなかなか言葉にならない程でした。
一緒に来られたお友達も、小さい頃から感情を押し込めてきたと言うSさんのそんな姿は初めてでした。
「20年以上病院で働いてきたんですけど、自分でもどうしてよいか、わけがわからなくて…。楽になりたいです。」
となんとかオーダーされました。
武司さんは「そんなに疲れが乗っちゃってたらね。話すのも嫌になっちゃってたでしょ。」と言いながら、Sさんの背後に回りました。
「こんなに肩に責任感が乗っかっちゃって、さらに乗せようとしちゃだめだよ。」と肩の上の方を両手で掴み、何かを外すような動作をされました。
そして、「あとは会話してれば楽しくなるから大丈夫だよ」と優しく言いました。
また、もう一つのオーダー「義母との関係をよくしたい」について、武司さんが答えました。
「お義母さんと会話して。義理でもなんでも親は親。俺だって親とは仲いいんだよ。親と会話して。楽しく食事して。そうすればよくなる。そういう方程式があるんだよ。」
その後も、繰り返し「会話して」と武司さんはSさんに言いました。
Sさんも分かっていたそうです。
一緒に住んでいて、関係が悪いままでは自分も苦しい。でも何をやっても通じ合えない。だから逃げていました。でも、武司さんに「そこだよ!」と言ってもらい、「やるしかないんだな」というところまで腹が決まったそうです。自分の取り組むべきところが分かって、来た甲斐があったと話されました。
直後は体感するものがあまり無かったSさんでしたが、その後、背中のバキバキだったコリが無くなっていることに気付いたそうです。
旦那さんからも、「調子がいいんじゃない」と言われました。
心も穏やかで、不安がなく、考えるのも嫌だった義母に対して、そんな気持ちも無くなったそうです。
そして、春先に同居してから、自分から話しかけることがなかった義母に、「出かけるけど、買ってくるものありますか?」と一言声を掛けたそうです。
「急に言われても…」と会話は長くは続かなかったそうです。でも、話しかけようと思えるようになっただけでも凄い、少しずつでも自分の課題に取り組んでいきたい、と話されていました。